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交通事故でムチウチになった場合の主な症状と後遺障害認定までの流れ

1.ムチウチとは

(1)ムチウチ(頚椎捻挫・外傷性頚部症候群)とは

ムチウチは、交通事故などの衝撃で首が「むち」のように前後に大きくしなることで発生する頚部の損傷を指します。医学的には「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」と呼ばれます。追突事故、正面衝突などで特に起こりやすい外傷です。

(2)発生のメカニズム

衝突の瞬間、胴体はシートベルトで固定されますが、頭部は体重の約10%の重さがあるため慣性で遅れて動きます。その結果、頚椎に「過伸展(大きく反る)」と「過屈曲(強く曲がる)」が繰り返し加わり、筋肉・靱帯・関節包・神経などの軟部組織が損傷します。事故直後は痛みが目立たないこともありますが、数時間から数日たってから強い痛みやしびれが現れる場合もあります。

(3)主な症状

ムチウチの主な症状には、首の痛みやこり、肩や背中のこわばり、頭痛、めまい、手足のしびれ、脱力感などがあります。ただし、症状の現れ方には個人差が大きく、軽症で済む場合もあれば、症状が長引き、治療が長期に及ぶこともあります。

(4)診断及び治療

多くの場合、X線検査で骨折や脱臼は認められません。診断は症状や受傷状況、触診などをもとに行われ、診断書には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」と記載されます。治療においては、リハビリや薬物療法を組み合わせて治療します。症状の悪化を防ぐために、事故後は早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

2.部位別の症状

(1)首の痛み・可動域制限最も典型的なのが首の痛みや動かしづらさです。以下のような症状が生じることがあります。

  • 痛み・こり: 首を動かすと痛む、首筋が張る、重い感じがするなどの症状が多く見られます。
  • 可動域制限: 首を前後左右に動かしにくくなることがあります。
  • 寝違えのような症状: 朝起きたときに首が動かせない、首が回らないといった症状が続くこともあります。

事故直後は痛みを感じなくても、数時間~数日後に症状が現れるケースも多いため、事故後は早期に整形外科を受診することが重要です。

(2)肩の痛み・こり

首の筋肉が損傷すると、連動して肩の筋肉にも負担がかかり、肩こりや肩の可動域制限が出ることがあります。

  • 肩の痛み・こり: 首から肩にかけての筋肉が緊張し、肩こりのような症状や、肩の重だるさを感じることがあります。
  • 肩甲骨周辺の痛み: 首や肩だけでなく、肩甲骨の内側や周辺に痛みを感じることもあります。

痛みが慢性化する場合は医師の診断と継続的な治療が重要です。

(3)しびれ

ムチウチ(外傷性頚部症候群)によるしびれは、交通事故などで首が急激に動き、筋肉や靱帯が損傷・炎症を起こして神経根が圧迫されることで起こります。軽い鈍い感覚やチクチクした痛みから始まり、進行するとピリピリした強い痛みや脱力、感覚の消失が現れ、手の動きが不自由になることもあります。しびれの場所は障害された神経根により異なり、たとえばC6神経根では親指や人差し指に症状が出ます。多くの場合、首や肩の痛み、頭痛、めまいなども伴い、症状はすぐ出ないこともあるため、早めに整形外科で検査を受けることが大切です。

(4)頭痛

交通事故によるムチウチでは、首の筋肉や靱帯の損傷・炎症が血行障害や神経の圧迫、自律神経の乱れを引き起こし、さまざまな頭痛が発生します。後頭部から頭頂部にかけて「締め付けられる鈍痛」「脈打つ痛み」「響く痛み」などが現れ、首の動きや気圧、疲労で悪化しやすいのが特徴です。

3.症状固定と後遺障害認定

ムチウチの治療は、一般的に数ヶ月から半年程度続きますが、症状が改善しなくなり、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を「症状固定」と言います。症状固定と判断された場合、それ以降の治療費は原則として保険会社から支払われなくなります。

症状固定後も痛みが残る場合、その症状が一定の基準を満たすと「後遺障害」として認定される可能性があります。後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益といった損害賠償を受けることができます。

後遺障害認定のためには、医師による正確な診断書や各種検査結果が非常に重要になります。自覚症状だけでなく、客観的な医学的根拠を積み重ねることが認定への鍵となります。

4.後遺障害の申請(事前認定と被害者請求)

後遺障害の等級認定の方法には、以下の2つがあります。

(1)事前認定

加害者側の任意保険会社が医療資料を集めて後遺障害の申請をする方法です。被害者が書類を用意する手間は省けて、手続きが簡便ですが、被害者が提出資料を十分に確認できないデメリットがあります。

(2)被害者請求

被害者自身が後遺障害診断書や検査資料を収集し、自ら損害保険料率算出機構(自賠責保険)に申請する方法です。書類の準備や手続きに手間はかかりますが、どのような書類を提出したか、提出書類に漏れがないかなどを全て自分で管理できるため、より積極的に後遺障害認定を目指す場合に有利となる可能性があります。弁護士に依頼することで、書類作成や収集のサポートを得られます。

5.ムチウチは、交通事故の直後には症状が出なくても、後から痛みやしびれなどの症状が現れることがあります。そのため、交通事故に遭われたら、必ず医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

症状が長引く場合は、症状固定の時期を見極め、後遺障害認定を見据えた治療と準備を進める必要があります。後遺障害の申請は複雑な手続きを伴うため、弁護士に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。

当事務所は、交通事故に知見がある弁護士が、被害者の方々のサポートをいたします。後遺障害にお悩みの方、保険会社との交渉にご不安を感じている方、その他交通事故に関するお困りごとについて、お気軽にご相談ください。当事務所は、北九州市八幡西区のJR折尾駅前に事務所を構え、地域の皆様の法的ニーズにお応えできるよう尽力しております。初回相談は無料ですので、安心してご連絡ください。

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